文化/創作/広告 | 虎ノ門広告祭公式サイト

音楽と映像の関係は密接だ。しかしそれを簡単に説明することは出来ない。 映画には、三つの音があるという。スクリーンの中にある世界の音。スクリーンの外に想像される世界の音。そして、どちらにも属さない“聴かれてはならない音楽”。自然の世界には存在しないが、映画には欠かせない音——それが音楽だ。 一方、ミュージックビデオには音楽以外の音がない。音楽こそが主題であり、映像はその呼吸やリズム、感情に寄り添いながら世界を立ち上げる。その関係はライブステージを中心としたリアルな空間へと拡張し、音と視覚の新しい関係を生み出している。 そして、広告には、物語より、映像より、音楽より前に、ブランドが伝えたいメッセージが存在する。我々制作者は何を可視化、可聴化しようと藻掻いているのだろうか。 本セッションには、演出家としてその最前線に立つ4人が集う。 2007年、UNIQLO「UNIQLOCK」でカンヌ国際広告祭グランプリを受賞し、世界的な注目を集めた児玉裕一は、椎名林檎、宇多田ヒカル、Vaundy 、Number_iなど、数多くのアーティストのMVやCM、ライブ演出を手がけてきた。 田中秀幸は、JUDY AND MARYや篠原ともえなど90年代東京カルチャーを象徴するアートワークを手がけ、電気グルーヴ、石野卓球、スーパーミルクチャン、きゃりーぱみゅぱみゅなどの映像で、音楽とデザインを行き来する独自のポップアート的美学を確立した。 田中裕介は、優れたデザインセンスと遊び心を加味した独特な世界観を展開。サカナクション、Perfume、APOGEE、TOWA TEIほか、数多くのアーティストのミュージックビデオを演出、なかでもサカナクションは、ミュージックビデオの映像演出を軸にアートディレクションや舞台演出と、幅広く手がけている。SoftBank、ボッテガ・ヴェネタ、資生堂などの広告映像にもその構成美を持ち込こんで活躍している。 そして林響太朗は、独自の色彩感覚で光を切り取る映像を生み出す映像作家。米津玄師、星野源、BUMP OF CHICKEN、菅田将暉らのMVから、グローバルブランドの広告、インスタレーションやパフォーミングアーツまで幅広く活動。 ミュージックビデオ、ライブ、広告——それぞれ異なるルールの中で、音楽と映像の関係はどのように変わり、どこで重なり合うのか。4人の演出家が、音楽を起点に生まれる映像表現の核心を語り合う。